【論文】治療抵抗性うつ病における抗うつ薬の増強に対する反応の性差

うつ/双極性感情障害

抗うつ薬の増強療法に性差ってあるの?

女性は男性の約2倍の確率で大うつ病性障害に罹患しています。しかし、治療抵抗性うつ病の女性と男性が同様の増強療法で治療された場合の臨床転帰を比較した研究はこれまでほとんどありませんでした。そんな臨床疑問に答えてくれる論文を紹介していきます!

抗うつ薬の増強療法は女性の方が有効?

論文:The international journal of neuropsychopharmacology. 2022 Feb 15; pii: pyac017.

治療抵抗性うつ病の患者76名(女性42人、男性34人)を対象とし、これらの対象者は、抗うつ薬+気分安定薬、抗うつ薬+抗精神病薬、抗うつ薬+気分安定薬+抗精神病薬のいずれかの増強療法を受けた。アウトカムはHAMD-17、MADRS、QIDS-C16、CGI-Sの変化とし、治療開始時と治療開始3ヵ月後で比較することとした。また、HAMD-17の各項目の変化も群間で比較した。

結果:
女性も男性もすべての尺度で改善がみられた。また,すべての尺度において、男性よりも女性の方がより大きな改善がみられた。特に女性は不眠や精神運動制止、不安において大きな改善を認めた。

まとめ

おさえるポイント・治療抵抗性うつ病において、気分安定薬や抗精神病薬での増強療法は有効
・増強療法は男性に比べて女性で有意に高い臨床効果が得られる
・女性では特に不眠や精神運動制止、不安が改善しやすい

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