レビー小体型認知症(DLB)の薬物療法
DLBの薬物療法に関するシステマティックレビューおよびネットワークメタアナリシスを紹介していきます!
論文:Am J Psychiatry.2015 Aug 1;172(8):731-42.
イントロダクション:
レビー小体型認知症(DLB)に対する薬物療法の有効性と忍容性について、精神神経症状・認知機能・運動症状・忍容性などをポイントに検討した。
方法:
DLB患者を対象とした無作為化対照試験(RCT)および非盲検試験(OLTs)について,創刊から2019年6月5日まで電子データベースを検索した。pairwise conventional meta-analysis(PWMA)およびnetwork meta-analysis(NMA)を実施した。主なアウトカムは、精神神経症状、一般的認知機能、運動症状、忍容性の平均変化スコアとし、効果量とオッズ比を算出した。
結果:
合計で29件の研究(RCT9件、OLT20件)を対象とした。9件のRCTを用いたNMAでは、高用量(平均差[MD] 2.00, 95% CIs, 0.69~3.31), 低用量(1.86, 0.58~3.15)のドネペジルはともにプラセボよりも認知機能の改善と関連していた。高用量のゾニサミドはより大きな運動症状の改善と関連していた(-4.10、-7.03~-1.17])。プラセボと比較して、精神神経症状の改善や忍容性の低い副作用の発現に関して統計的な有意差を示した薬剤はなかった。29件の研究を探索的解析とした2つ目のNMAでは、アリピプラゾールおよび抑肝散は精神神経症状に有効である可能性があり、レボドパは認知機能障害と関連する可能性があることが示された。
結論:
DLBに関するRCTは限られており、今後さらなるRCTの報告が必要である。
まとめ
レビー小体型認知症の認知機能障害に対してはドネペジルが、精神症状に対してはアリピプラゾールまたは抑肝散が有効である可かもしれません。
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