PMSやPMDDにおけるSSRIの投与方法
論文:J Psychopharmacol.2022 Jun 10
背景:
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の間欠的(黄体期)投与は、月経前不快気分障害(PMDD)や月経前症候群(PMS)に対する治療戦略の一つである。間欠的投与によって、長期連続投与に伴う抗うつ薬の中止症候群のリスクを回避することができる。
目的:
SSRIの間欠的投与と持続的投与のそれぞれの有効性と忍容性の観点から比較する。
方法:
Cochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、EMBASE、PsycINFO、PubMed、CINAHLで、月経前症候群におけるSSRIの間欠的投与と持続的投与に関する無作為化試験を検索した。奏効率、脱落率、症状スコアの変化を抽出した。研究データをプールするためにランダム効果メタ解析を用い、オッズ比、標準化平均差を算出した。バイアスのリスクはCochrane risk-of-biasツールを用いて評価した。
結果:
合計1841件の文献が同定され、合計460名の参加者からなる8件の研究が解析対象となった。
・反応率(オッズ比1.0、95%信頼区間(CI):0.23~4.31、I2=71%)
・脱落率(オッズ比1.26、95%CI:0.39~4.09、I2=33%)
・症状の変化(標準化平均差:0.04、95%CI:-0.27~0.35、I2=39%)
SSRIの断続投与と持続投与で統計的に有意差はなかった。
結論:
PMSやPMDDに対するSSRIの間欠的投与は中止症候群のリスクを回避できるため、持続投与よりも考慮すべきである。
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